【プロが解説】離乳食用・冷凍じゃがいもの作り方

離乳食

離乳食初期から食べることができる食材・じゃがいもは、くせがなく赤ちゃんに食べさせやすい食材です。

マッシュしたものを薄めれば、とろみづけにも使えます。

単品としても、とろみづけ用にも使えるじゃがいもは、少しずつ冷凍ストックしておけばとても便利な存在です。

本ページでは、このじゃがいもを離乳食用に調理・冷凍する方法や注意点、栄養について解説します。

1. じゃがいもはいつから離乳食に取り入れる?

じゃがいもは離乳食の初期から赤ちゃんに与えることができます。

マッシュすれば口当たりが滑らかで、味にくせもないため、比較的食べさせやすい食材といえるでしょう。

マッシュしたものを薄めてほかの食材と混ぜれば、離乳食のとろみづけにも使えます。

じゃがいもを赤ちゃんに与えるときは、まずは1個分を離乳食初期に合わせた形態に調理しましょう。
アレルギー確認のため、最初は少量を与え、残りは次の日以降の調理のために冷凍保存をしておけば便利に使うことができます。

2.冷凍保存可・離乳食用じゃがいもの調理方法

材料
じゃがいも ………………………1個(200g程度)
水(加熱用)………………………150ml
湯冷まし(ペースト調整用)……20~30ml

① じゃがいもをブロック状に切る

加熱しやすい大きさにじゃがいもを切ります。

料理本によってはアク抜きのために水で浸すように書かれてありますが、すぐに加熱する場合はアク抜きは必要ありません

アク抜きは褐変(切り口が茶色になること)防止のために行われますが、すぐに加熱調理をすることで褐変を起こす酵素が失活し、褐変しなくなるためです。

② じゃがいもを加熱する

じゃがいも1個(200g程度)に対し、水を150ml程度加えて鍋もしくは電子レンジで加熱します。

電子レンジの場合は、耐熱ボウルにふんわりとラップをかけ、加熱します。

600Wの電子レンジで3分程度加熱したあと、1度取り出してフォークなどでつぶしながら混ぜ、その後30秒ずつ加熱し混ぜ、ちょうどよいペーストになるまで加熱しましょう。

③ 加熱したじゃがいもを裏ごしする

加熱したじゃがいもは、②が熱いうちにザルなどで裏ごしします。

ブレンダーがあるご家庭では、ブレンダーで滑らかになるまですりつぶします。

この際に、湯冷ましを加えて硬さを調整しますが、ブレンダーでのすりつぶしが難しいようであれば、少し多めに水を加えても構いません。

※衛生対策のため、加える水は必ず一度沸騰させたものを使ってください

与えはじめは、ポタージュ状が目安です。慣れてきたら少しずつ水分を少なくしてもよいでしょう。

④ その場で食べるものと冷凍保存するものに分ける

①~③で離乳食用のじゃがいもペーストは完成です。

その場で与えるものを取り分けたら、残りを冷凍保存容器に入れましょう。
冷凍保存容器は、製氷皿型のものでも、冷凍保存袋でも構いません。

冷凍保存袋を使う場合は、冷凍後に手で折って使うため、3mm程度の厚さになるように薄く伸ばして入れましょう。

⑤ 冷凍保存用はすぐ冷蔵庫or冷凍庫へ

冷凍保存用のじゃがいもペーストは、調理後すぐに冷蔵庫もしくは冷凍庫へ入れましょう。

粗熱が取れていない場合は、一度よく掃除し、中を空にしたチルド室に入れると、冷蔵庫内の温度が上がらず便利です。

チルド室で粗熱がとれたら、冷凍庫に入れて冷凍しましょう。

離乳食の常温での粗熱取りは、衛生上好ましくありません。
特に夏場は、調理後の離乳食を常温に放置しないようにしましょう。

※離乳食の衛生管理について、詳しくはこちら

3. 冷凍した離乳食用じゃがいもの解凍方法

冷凍した離乳食用のじゃがいもは、鍋もしくは電子レンジで必ず加熱解凍をして使いましょう。

食品は冷凍することで長く保存できますが、冷凍により菌は死滅しません。

一度食品の温度を上げて、食品中の菌を死滅させるようにしましょう。

4. 中期以降のじゃがいもを上手に冷凍する方法

中期以降の水分の少ないじゃがいもを冷凍する場合に、解凍すると食感がパサパサすることがあるかもしれません。
長く保存したときには、乾燥が進んで酸化し、味が変わることもあります。

それは、冷凍保存中にじゃがいもが乾燥し、水分が失われた状態になるからです。

中期以降にじゃがいもを使うときは、以下の2通りの方法どちらかを選択しましょう。

【1】ポタージュより少し固めのペースト状で保存し、他の離乳食と混ぜて使う

【2】食べやすい大きさに切って、成長に合わせた硬さに煮てスープと共に冷凍する

水分を多く含んだ状態で冷凍するか、スープやだし汁に浸した状態で冷凍することで、水分が膜の役割を果たし、じゃがいもが乾燥しづらくなります。

スープやだし汁に浸した状態のじゃがいもは、加熱解凍をする際に水分を吸い、柔らかくなりがちです。
そのため、冷凍する際に少し硬めに調理しておき、赤ちゃんに与える直前の加熱で硬さを調整してもよいでしょう。

5. 栄養豊富なじゃがいもは冷凍でたくさん離乳食に取り入れよう

じゃがいもは、主成分がでんぷんですが、ほかにもビタミンCやビタミンB2、ビタミンB6、食物繊維、カリウムなどを含む栄養豊富な食品です。

これらの栄養は、冷凍することにより失われることはありません。
(※調理中の加熱などにより減少することはあります)

冷凍を活用することで調理を楽にし、積極的に離乳食に取り入れましょう。

冷凍前の調理の際には、できる限り新鮮なじゃがいもを選び、芽やその周囲を取り除いて調理しましょう。
じゃがいもの芽や芽の根本、青く変色したジャガイモは毒性物質である「ソラニン」や「チャコニン」を含むため、体が小さく抵抗力が弱い乳児に与えると食中毒を引き起こす可能性があります。

これらの毒性物質は加熱や冷凍により減ることはありません。

冷凍の離乳食用じゃがいもを調理する際には、冷凍前から新鮮で安全なものを選ぶようにしましょう。

この記事を書いた人

冷凍コンサルタント。出版社勤務ののち、冷凍コンサルティング会社のコンテンツ編集担当・冷凍コンサルタントに。2021年に独立し「親子ごはん.com」を設立。

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